根津神社第二客殿(舞姫の家)にて、なげいれ「山里花」主宰 圷奈保美さんによる花会を開催いたします。
授与所で頒布しております「月次花御札」に因んだ山里の植物が第二客殿(通常非公開)を彩ります。
四季折々の植物を通して、日本の自然と文化に触れる機会となれば幸いです。
*月次花御札
月ごとの季節の植物を描き、無病息災を祈念した御札です。部屋に花を飾るように目に付く場所に飾ります。
講師:圷 奈保美 なげいれ「山里花」主宰
2005年から2017年まで花人・川瀬敏郎先生に師事なげいれの花を学ぶ
2009年から生け込、教室、花会などの活動開始
根津神社「月次花御札」に因み
『南天と鴎外が親しんだ山里の草花の花の会』
令和7年11月30日(日)
[午前の部]11時‐13時
[午後の部]14時‐16時
*各回20名様
鑑賞、デモンストレーションと講義 季節の菓子薄茶
場所:根津神社第二客殿(舞姫の家)
※完全予約制
※詳細・お申し込みはこちらからお願いいたします。
*根津神社では、お問合せ、お申込みは承っておりませんのでご注意願います。
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植物を愛した森鴎外ゆかりの客殿(舞姫の家)で冬に向かう頃
11月の「月次花御札」の南天と鴎外が親しんだ山里の草花を生ける。
森鴎外の随筆「みちの記」から一節
山道に入りぬ。
ところどころに清泉迸(ほとばし)りいでて、
野生の撫子(なでしこ)いと麗(うるわ)しく咲きたり。
その外、都にて園に植うる滝菜(たきな=ウワバミソウ)、
水引草(みづひき)そうなど皆野生す。
しょうりょうという褐色の蜻(かげろう)あり、群をなして飛べり。
日(ひ)暮(くる)る頃山田の温泉に着つきぬ。
明治23年17日から27日まで森鴎外による
軽井沢への旅日記とも言える随筆。
旅の途中、花を愛で、料理に舌鼓を打ち、
川の清流で顔を洗い、蟹を捕まえて遊び、
地元の店で声高な客を考察し、
名勝を見物しながら人の生死に思いを馳せる。
20代であった鴎外の短い随筆。
「みちの記」における植物描写は
汽車の中から見た桔梗や女郎花、芒花、また
山路で女郎花、桔梗、石竹(せきちく)などを
摘んで筒にさす描写、鴨頭草(つきくさ)の群生など、
具体的な植物名が挙げられ、旅人の自然への親密さと
当時の豊かな植生が伝わってきます。
当時の自然環境に触れる事が出来、
どれほどか草木花を身近に親しんでいたかを知ることができます。
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